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生命の危険を有する重症外傷患者では、いかに迅速で的確な診断、治療を行っていくということが、救命の要となります。 また、対応する病態も多岐にわたり、各診療科にまたがった対応が必要なことも多くあります。さらに、初期治療だけでなく、その後の集中治療、各科にまたがる手術などの根本治療、リハビリを含めた入院治療を、遅滞なくスムーズに行っていくことで、はじめて患者の機能改善につながり、患者の早期社会復帰が可能となります。



泉州救命センターは、従来より、泉州二次医療圏で発生する重症外傷患者を集約化して、恒常的に多数の重症外傷患者に質の高い医療を提供してまいりました。外傷診療チームが、初期治療、集中治療、根本治療まで的確、迅速に実施できる体制を整備してきましたが、2013年4月、りんくう総合医療センターと統合し、各科のさらなる高度専門治療も迅速に提供でき、また、リハビリなどの、より早期の患者の機能改善に向けた評価や機能訓練が可能な体制が整いました。

重症外傷センター設立の目的は、重症外傷患者の治療において、当初の救命に主眼を置いた診療機能の充実を図るとともに、救命後の患者の機能予後にも着眼した診療機能の拡充を行っていくことであり、ひいては外傷センターに求められる理想の診療能力について全国に発信していくことであります。
すでに、重症患者のさらなる集約化を目指した消防覚知同時要請でのドクターカーを出動させることで、2013年度はさらに外傷症例の大幅な増加も見込めています(図)。 さらに当センターで独自に開発、大阪府立大学獣医学科と連携して運営している外傷外科手術治療戦略コース(SSTT)も全国展開しており、外傷診療におけるチーム医療構築の大切さ、外傷外科手術の特殊性に基づく戦略の決定など、目指すべき外傷診療を、全国に大きく発信しております。
重度脳損傷・脳卒中センター、外傷機能外科部門とも共同して、重症外傷患者に常に質の高い医療を提供し、いっそうの重症患者の救命・救急医療に精進していく所存です。

救命センター外傷症例推移





年次報告。2011年度はICU改築工事があり、りんくう側で受け入れを行ったため、除外した。外傷症例数は年ごとに増加し、ISS16以上の重症外傷例も増加している。 2013年度は1月時点で外傷患者は394名と、大幅に増加している。

スタッフ

所長 兼 重症外傷センター長 中尾彰太